法務いろいろ相談センター(奈良)  業務内容・実績

林法務行政書士事務所
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業務内容・実績
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3000年07月10日

業務内容

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◆各種相続手続き
相続手続は、お早めに
しないでいると、様ざまな問題が派生、権利関係が複雑になって、
その処理のために、余計な時間とお金がかかることになりかねません。
預金については、それぞれの金融機関の書類で
不動産については、遺産分割協議書で
ゴルフ場会員権や高級乗用車などもそれぞれの手続で

◆遺言手続き
遺族による相続財産争いは、醜いものです。あなたの決断で争いを予防しましょう。


◆不動産関係
自分の家屋敷・他人の土地、何かと権利関係や相隣関係が複雑で煩わしいものです。
しかし、起こった問題は、放置しておいてはいけません。
時効など、思わぬ落とし穴があったりします。


◆農地関係
農地は、何をするにしても農業委員会がからみます。的確な手続きが大事です。


◆交通事故
安全運転は絶対遵守、交通事故は、加害者も被害者、被害者も加害者。起こってから、
どちらが良いか悪いか争っても、双方良いことは、何もありません。
しかし、その解決は、相手に対して誠意を持って、自分に有利に。


◆消費生活
消費者保護政策や法制度が整っていますが、それでも、被害者は減りません。
「君子危うきに近寄らず」を最良としますが、それでも、かかったなと思ったら早めの対処、家屋敷の賃貸借も法に基づき適正手続きを。
賃借人に対する敷金の不当な返還も後を絶ちません。


◆各種契約書
なぜ、契約書を交わすのか。
後日のトラブルを避けるため・・・ならば後日にトラブルを生じさせない契約書を。


◆内容証明郵便
内容証明郵便は、郵便局が手紙の内容まで公に証明してくれます。
権利関係の争いが予想されるとき、相手方へは、的確な内容証明郵便で。
当事務所がお受けした事件の中には、1通の内容証明郵便だけで解決した交通事故や未収の代金が回収できたケースがたくさんあります。


◆告訴状・告発状
あなたが被害にあわれたら、告訴状
被害届よりも積極的に告訴状で
他人の被害や事件を見つけたら、告発状


◆会社設立
平成18年5月施行 新会社法による会社設立は、商法の時代に比べ簡易になりました。
資本金の最低1,000万円は、削除されました。起業は、会社組織で。
その他、各種法人の設立も。

2999年07月10日

これまでに扱った事件

●相続・遺言・家族関係
 各種相続手続に関すること
 相続放棄手続とそれに伴う諸問題の処理に関すること
 遺言手続きに関すること
 転籍及び養子縁組手続に関すること
 離婚に関して生じる諸問題への対応に関すること
 (完璧な離婚のために)

●土地・家屋等の不動産関係
 土地の所在調査に関すること
 共有土地の分割に関すること
 土地売買契約の完遂に関すること
 通路の確保に関すること
 農地の転用に関すること
 農地の売買手続に関すること
 農家住宅の建築手続に関すること

●日常生活関係
 交通事故の処理手続きに関すること
 購入商品のクーリングオフ手続に関すること
 振込めサギから振込金の回収を図る手続に関すること
 債権(売掛金・下請代金、報酬金等)の回収手続に関すること
 借家の明渡拒否に関すること
 正当な額の敷金返還請求手続に関すること

●法人設立、変更関係
 株式会社の設立手続きに関すること
 地縁団体設立手続きに関すること
 法人の規則作成及び変更手続きに関すること
 社会福祉法人設立とその法人の保育園開設に関すること

●各種文書作成関係
 各種契約書の作成
 各種内容証明郵便の作成
 告訴状、告発状の作成
 著名人の伝記執筆

●民事渉外関係
 外国人の在留資格取得手続に関すること
 外国人の日本国籍取得(帰化)手続きに関すること

2008年08月12日

あいうえお

あいうえお

2007年08月17日

消費生活 1

「振込めサギ」から振込金を取り返す

 「振込めサギ」は、その名称を戴くまでは、「おれおれサギ」と呼ばれていた。以下の事件に対応していた平成17年2月頃に警察庁がこの種手口の犯罪に「振込めサギ」の名称を付けたのである。
 さて、知人から紹介されたA子さんが、株式会社東日本債権管理センターなる者から「電子消費者契約通信未納利用料請求最終通達書」と題するハガキを受取ったのは、平成16年5月23日のことである。そこでA子さん、そんなハガキは、即座にゴミ箱に捨てなければならないところ、どうしたことか、こともあろうに、記載してある連絡先電話番号に電話をしてしまったのである。
 そうなると、相手は、スッポンの如く噛み付いてA子さんを離そうとしない。結局、その話術に巻かれて、ありもしない債務384,000円を相手方口座に振込んだのである。そして、ご丁寧にも「振込んだら、すぐその旨電話するように」と言われた通り電話をした。すると、相手方は、「別途、564,000円も未払いになっているので、すぐ、振込まれたい。」さすが、サギと言うだけのことはある。詐言を用いて、人から財物を交付させるのである。
 しかし、いかにA子さんでも、二度目の振込みが終わった直後、「これは、どう考えてもおかしい。」と気付き、最寄の署へ駆け込んだ。これが幸いした。派出所でなくてよかった。いや、対応してくれた警官を褒めるべきか。
 この警官、総務課に所属していたから、直接の担当ではなかったが、A子さんの話が終わるや否や振込先銀行(都市銀行市川支店=千葉県)に電話をして、払い出しを止めさせたのである。
 その後、A子さんは、口座に残高が残存していることを折を見ては、その銀行に確認していたが、銀行は返してくれそうにはない。そこで、口座名義人を被告にして訴えを提起することになるのであるが、ここに大きな問題が横たわっている。当時の裁判例では、口座名義人がカタカナの名前で、住所も分らなければ、被告が特定できないため、訴えは門前払いとなっていたのである。銀行に本人確認法に基づいて確認してある住所と漢字の名前を教えて欲しいといっても拒否される。そこで、奥の手を使って、この相手を特定した。そして、奈良簡易裁判所にA子さんは、訴えを提起。するとすかさず、次の関門。それは、被告に送達された訴状が「あて所に尋ねあたりません。」として、奈良簡裁に返送されて来たのである。そうすると「公示送達」しかない。簡裁に公示送達を申請すると「現地確認」と、その「報告書」提出が申し渡された。
 被告の住所地の最寄駅は、京成電鉄の国府台駅である。駅前の交番で尋ねると、うまい具合に道路を挟んで交番と筋向いのマンションとのこと。まず、集合の郵便受けを見る。氏名の表示はなく、室番の郵便受けには、配達された郵便物がある。いずれもあまり価値のあるようなものではなさそうだ。そして、該当の号室に向かう。
やはり、氏名の表示はない。もし、顔を出されて、何用か?といわれたら、何と答えようか、思案しながらも、インターフォンを押す。反応がない。もう一度繰返す。やはり、応答はない。交番にとって返して、市役所への道順を聞く。徒歩でも可能だ。住民票を申請する。ない。担当職員は、申請理由を慮ってか、過去の記録まで確認してくれた。しかし、遡ること5年間、その人物が市川市に住民登録したことはないとのこと。改めて、銀行の口座開設への疑問と憤りが湧く。この顛末を報告書として、奈良簡裁へ提出。そして、A子さんに第1回口頭弁論期日の通知が来る。期日には、もちろん、被告が出廷してくることはない。
従って、第1回の期日で裁判は終結。裁判官も心得たもので、同日に判決を言渡してくれた。しかし、訴状に記載した請求の趣旨のうち、訴訟費用の被告負担、支払済みに至るまで年5分の割合による損害金の支払は、主文からは除かれていた。このことについて、判決当初には奇異に感じたが、その後にその理由を推測することができた。すなわち、振込先口座には、A子さんが二回にわたって振込んだ金額の残高しかなく、判決文に利息や訴訟費用を記載(利息や訴訟費用の裁判をしても)しても、強制執行の方途がないからであろう。そして、その後2週間して判決は確定。次は、その銀行を第三債務者として、口座残高の差押えの手続である。この管轄は、千葉地裁市川支部でしなければならない。債権差押命令申立書と付属の書類を同支部へ郵送する。
すると又しても、現地確認の要請。これに対しては、先に奈良簡裁に提出した報告書を援用、そして、ついに口座残高の差押さえ実現。その後、A子さんは、その銀行の奈良支店で振込んだ金額に相当するお金の支払を受けることができたのである。

連帯債務利率引き直し事件
 この事件のクライアントは、私が定期的に原稿を送っている地元ミニコミ紙の編集長から紹介があったものである。クライアント氏は、電話で打ち合わせたとおり、手元にある関連資料一式を携えていた。しかし、肝心な金銭消費貸借契約書と主債務者の弁済の記録がない。弁済記録はともかくとして、連帯保証人として、名を連ねた金銭消費貸借契約書がないとは。連帯保証とは、そんな軽いものではない。といいたいところをこらえて、クライアント氏の説明を聞く。その債務は、元本が100万円で約役5年前の契約であるとのこと。そして、主債務者が本年(平成20年)6月に自己破産したので、債権者は、自分に残債務の支払を求めてきた。その額が約81万円だという。そして、債権者の催告に応じて2か月分39,000円を連帯保証人として支払った。しかし、今後も払い続けるのがかなわない。なんとかならないか。このクライアント氏、業界仲間で互いに連帯保証の仕合をしており、外にも連帯保証しているもの、してもらっているもの何件かあるとのことで、連帯保証の法的な仕組みはある程度理解している様子。さて、5年前に借金して、現在なお81万円もの元金が存在するということは、いかに高利で借りたものか、はたまた、弁済の滞りがあるのか。いや、弁済の滞りは、考えられない。なぜならば、債権者が、弁済の滞りを看過して債務者の自己破産まで放置するはずはない。むしろ、一回の滞りでも期限の利益喪失条項を適用して、残債務の一括弁済を求めてくるのが、このような債権者の定石というものである。そうであれば、やはり、利息制限法違反の高利か。
 クライアント氏が肝心な書類を持っていないので、債権者側から提示を受けなければならない。
 そこで一計を案じる。
 すなわち、利息制限法などを持出すと、債権者側は、硬化して事実を明かさないおそれがある。
 内容証明郵便で送付した内容のさわりは、こうである。「・・・・、つきましては、甲(主債務者)の貴社との金銭消費貸借元本100万円がどのように弁済され、当方が負担すべき残額がいくらあり、それをどのように弁済すればよいのか、甲の代理人から送付されてきた債権調査票への記入の必要もあり、また、一括弁済も検討したいので、本書送達後5日以内に文書でご回答下さるようご照会申し上げます。なお、その際、甲と貴社との契約書の写しを併せて同封いただきたくお願いを申し上げます。」
 すなわち、一括弁済の意思があると見せかけて、主債務者の弁済記録の詳細を入手しようとしたのである。こうして、指定の期日内に債権者から送られてきたのは、「金銭消費貸借・手形割引等継続取引並びに限度付根保証承諾書兼金銭消費貸借契約書(債務弁済公正証書作成嘱託委任状)」という名の契約書(勿論、ここには、クライアント氏の連帯保証人としての実印が押印してある。)と顧客台帳という名の弁済の記録である。平成14年11月14日100万円貸し出し、平成15年1月6日初回弁済39,750円、以下、平成20年5月27日の最終弁済までキチンと約定どおりの弁済がなされている。そこで、とりあえず、弁済初年度12ヶ月の弁済金合計額を計算すると、290,250円となる。利息制限法では、100万円以上の元金の制限利率は、年15パーセントである。こうして、利息制限法所定の最高利率で利息を引きなおして、「利率引き直し計算書」を作成。すると、主債務者甲自身でさえ、既に88,900円の過払いをしている結果に。当然ながら、連帯債務者のクライアント氏が弁済した39,000円は払う必要のない金員である。
 債権者への内容証明郵便第二段「「主債務者甲の御社への弁済の状況を法定利率に引き直し計算すれば、甲自身、平成20年5月の弁済時点で既に御社に対して、88,900円の過払いを生じております。(利率引き直し計算書は、別送)※=末尾参照 従いまして、その後当方に請求されて支払った2回分計39,000円は非債弁済にあたりますので、この額を当方宛返還いただきたく、ここにご通知申し上げます。とりあえず、本書送達後5日以内に文書でご連絡下さるよう申し添えます。」
 しかし、期限が過ぎても債権者からは、文書はもとより、口頭でも何の連絡もない。クライアント氏が電話で債権者会社へ申入れするも「担当者がいない。」というような対応。これを何回か繰返す。
 私は、81万余の弁済を逃れることのできたクライアント氏の心情は、支払った39,000円くらいは、諦めるのではないかとの思いで水を向けてみた。しかし、当のクライアント氏から返ってきた言葉、それは、「39,000円といえども、道に落ちているわけではない。」なるほど。
 ならば、三たび内容証明郵便で、振込口座を明記して、39,000円の返還振込みを催告してはどうか、それで返還されなかったら、小額訴訟を提起されたらよい、旨伝えた。それから数日後、クライアント氏は、裁判所へ行く時間がもったいない。81万円を逃れられたのだから、39,000円は、諦めるとの連絡をしてきた。こうして、連帯債務利率引き直し事件は終了した。
※内容証明郵便には、書状以外にいかなるものも同封することができない。

交通事故関連の実績 2

被害者側から

加害者:私の保険は、すべての損害に対応できるようになっています。
その保険会社:保険では、そこまでは対応できません。(予見可能性のない損害に対する支払はできません。)

 交通事故の示談交渉の初期の段階では、よくあることである。 
 たいていは、加害者の知っていての強弁か、あるいは、保険約款に対する無知か誤解である。
 このケースは、駐車中の乗用車にパッカー車が衝突した事故であるから、被害者側の過失はないと考えてよい。
 従って、物損に対する修理費は、その全額を加害者側が保険で支払った。
 ところが、この事故には、通常では予見することができない隠れた損害が発生していたのである。
 それは、乗用車の所有者が間もなく迎える車検切れを機に新しい車に乗換えようと考えて、運転免許取立ての娘のために中古車を探していた母親に50万円で譲り渡す約束ができていたのである。しかし、事故のことを告げられた、その母親は、事故車は要らない、と言う。そうすると、この50万円は、諦めなければならないのか。そして、この50万円に対する冒頭の加害者と保険会社の弁となるのである。これでは、いくら話合いを続けても時間がかかるだけで被害者の納得できる結論を引出すことは、ほとんど不可能である。
 そこで、加害のパッカー車は、地元公共団体の委託を受けて、地域の一般廃棄物の収集を行っていたときの事故であったから、加害者がこの50万円を払ってくれなければ、委託元の公共団体に請求するしかない。
 その旨内容証明郵便で通知したところ、加害者は、慌てふためいて被害者宅を訪れ、50万円は、自分が払うので委託元へは決して請求しないで貰いたいと懇願した。そして、その月末にその支払は実行された。

交通事故関連の実績 1

加害者側から

追突された側:追突は、した方が100パーセント悪いに決まっている。
追突した側 :あなたにも相応の過失がある。過失割合は5:5だ。

 東西方向は、東進一方通行
 南北は、双方通行で信号機が設置されている交差点で、高い幌を取り付けた軽トラックが右折の方向指示器を点灯させて交差点に進入した。後続は、普通乗用車である。ところが、軽トラックは、交差点に進入後に停車した。そこへ後続の普通乗用車が追突した。軽トラック(以下、「X車」という。)が交差点に入ってから停車し、十分な車間距離をとらなかった後続車(以下、「Y車」という。)が追突したのである。
 Y車の運転者は、X車の運転者になぜ交差点に進入してから停車したのか質したところ、「信号が赤になったからだ。」と言う。交差点直前で信号が黄色になった場合、後続車両の追突等の事故を避けるためであれば、そのまま、交差点に進入しても信号無視には問われない。しかし、そうして一旦交差点に進入してしまえば、信号が赤になった場合、そのまま交差点を通過するか、若しくは、後退して交差点から出ることが求められている。そのために、交差点におけるすべての信号が赤の時間帯が概ね3秒、いずれの交差点でも、そのように運用されている。
 Y側が過失割合を5:5と主張したのには、そのような理由があった。

 X側は、Y側に対して積極的な反論をしなかったために、Xの頚椎捻挫症に対しては、その治療費請求額30万円に対して、Yは、約2分の1の15万円を支払い、X車両の修理費189,000円の請求に対しては、自己車両の修理費との相殺を主張して、その支払を拒否したところ、X側からは、何ら異議の申し出もなく、この事故処理は、それで終わってしまったかのように思えた。

 ところが、前年11月の初め頃の事故の日から、約6ヶ月を経過した5月に入って、前後してこの事故に関する二通の文書がY宛に送られてきた。
 一通は、損害保険会社からの商法662条を根拠とする求償債権請求の催告書であり、もう一通は、損害保険料率算出機構の地元自賠責損害調査事務所からの「自動車事故に係るお支払い金等についてのご照会」と題する文書であった。

------------続く--------------

このあと、この件がどのようになっていったか、終結後に書き加えたい。乞うご期待。

相続実績 2 (相続放棄)

 「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月とは、いつ」?・・・相続放棄


 佐々木 清隆(仮名)氏は、突然、音信不通にして没交渉、生死の程も省みることがなかった故人父の弟から電話をもらった。その内容は、死んだ兄貴の債務を支払うよう債権会社から迫られている。お前たち立派な子供がいるのだから、親の借金は、子供が弁済せよ、というものであった。佐々木清隆氏、この電話の内容に思い当たる節があった。それは、約2年前に清隆氏自身宛にも債権会社から父を相続した者として、約50万円の支払請求を受けていたのである。
 清隆氏は、管轄の家庭裁判所で弟と共に相続放棄の申述をして、事なきを得たのであるが、その手続の終わり頃に裁判所の書記官から、「もう、他におられませんね。」と言われたときに、他に兄弟姉妹がいないことの確認かと思い、「いません。」と応えたのだが、叔父のことなど、その時もそれ以来も全く意識の中になく、今日に至っていることを今改めて思い起したのである。さりとて、一旦放棄した相続債務を今更弁済もできず、しかし、叔父の苦悩と怒りもよく分る清隆氏、とりあえず、叔父の住む鹿児島県の離島へ行ってみようと考えた。そして、その時点で、相談をしてきたのである。「行って何をされるのですか。」清隆氏「とにかく、お詫びをしようと思うのです。」、「行ってお詫びしても、何の解決にもなりません。かかる旅費と日数を考えて見なさい。」、清隆氏「そうですね。」それよりも、早急に相続放棄の手続をしましょう。
 さて、悪いことに、叔父氏が清隆氏に電話をしてきたのは、債権会社からの二度にわたる通知文を無視して、管轄の裁判所から送られてきた債務の存在を明らかにする書類を見てのことであった。既に債権会社は、二度にわたって、この叔父氏に弁済を督促し、相続放棄したのであれば、それを証明する書類を送られたい旨の文書を送付してきていたのである。二度目の債権会社からの文書を受けたときに叔父氏が清隆氏に連絡をしておれば、何ら問題なく相続放棄が可能であったのだが、しかし、兄弟といえども、約半世紀間没交渉の間柄である。
 そのような、叔父氏にとってかなり不利な条件ではあったが、鹿児島離島との間で速達便による数回の書類のやり取りの末、最高裁昭和59年4月27日第二小法廷判決を踏まえた叔父氏の上申書と清隆氏兄弟の上申書を作成、管轄の奈良地裁の支部へ提出。この相続放棄申述書は、受理された。平成18年9月4日のことである。
 時は、叔父氏が債権者から、相続債務の存在を知らせる最初の通知文を受取った平成17年10月14日から、おおよそ1年になろうかという頃である。


相続実績 1 (単純承認)

「果たして、相続財産はそれだけ?」・・・単純承認

 知人の紹介で相談を受けたS子さん、1枚の紙片を持参していた。
 大手都市銀行の「相続届」である。
 そして、S子さん、「叔父から、この紙に住所氏名を書いて、実印を押し、その印鑑証明書を取って欲しいと言われたが、その通りしていいのでしょうか。」
 なぜ叔父か、ここで、S子さんの相続関係を説明しておかなければならない。

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 被相続人の長男が、S子さんに銀行の「相続届」を渡し、記載、押印、印鑑証明を依頼してきたのである。
S子さんからすれば、弟と共に祖父の遺産を相続することになるのである。
 そこで、S子さんに問う。「遺産は、その銀行預金だけですか。」
 その答は、「叔父は、祖父が建てた3階建てのマンションの一室に祖母と二人で住んでおり、他にもかなりの預金があるはずです。」
 「それでは、取りあえず、その書類を叔父さんに渡すのは、見合わせなさい。そして、叔父さんの連絡先電話番号を教えて下さい。」
こうして、その番号に電話をして、叔父なる人物に、これまでの経緯を説明し、「相続手続を進められるのなら、すべての相続財産を明らかにしなければ、前には進みませよ。」と伝えておいたところ、それから10日ほど経っても、叔父氏からは何らのアプローチもない。そこで、再度の電話をして、「何でしたら、一度お伺いしましょうか。」拒絶されるかと思いきや、「そうしていただけますか。」との返答。日時を打合せて、大阪市内の高級住宅地と称される、その住居マンションの所在を確認した。行ってみると、そのマンション、一階は、道路に面して二店の店舗が入り、2・3階が計8室の賃貸マンション。恐らく、賃料収入は、月額100万円は下らないであろう。と見て、母子の住む2階の一室を訪れる。案内された部屋には仏壇が祭られていたので、合掌。そして、振り返った机の上に一枚の紙片、見ると銀行預金、郵便貯金、国債、土地家屋など積極財産と幾許かの銀行からの借入金の残高、これらが、達筆というわけにはゆかないが、整然と判りやすく書かれてある。合計が書かれてあり、1億円にあと少しで届くという金額である。それを預かり、S子さん兄弟と話をして、できるだけ早く印鑑証明書等を準備する旨約して辞する。
 この叔父氏がこのように総ての遺産をさらけ出してくれたことをうれしく思い、できれば、預金関係相続分に上乗せして、不動産には、S子さん姉弟の持分登記をしない方向で遺産分割協議書を考えようと思っていたが、S子さん、相談する相手があってのことか、総ての遺産を法定相続分欲しい、マンションの賃料についても同様、とのこと。やむを得ない。こちらへの依頼者の言うことを聞かなければならない。こうして、通常、法定相続分によって相続する場合は、遺産分割協議書は不要であるが、マンションの賃料まで欲しいというS子さんのために作成した遺産分割協議書を叔父氏に示したところ、不快な表情が読んで取れたが、反対はしなかった。こうして、当初遺産約600万円の「相続届」がおおよそ、1、200万円とマンションの建物と敷地さらに年々、マンション賃料の8分の1を相続する事となったのである。